365日
「パン屋という職業は、お客様の日常の食生活に最も深く関わる仕事の一つです」とシェフは語ります。
「特別な日のご馳走を提供するレストランとは異なり、ベーカリーはお客様の『毎日の食卓』に寄り添う存在だと考えています。だからこそ、お店の名前に『365日』という言葉を選びました。共働き世帯も増え、食事の準備に手間をかけることが難しくなっている現代。おいしいパンが一つあることで、食卓が少しだけ豊かになり、丁寧な暮らしの温もりを感じていただけたらと思います」
ただ空腹を満たすだけでなく、食べることで明日への活力が湧いてくるような食体験を提供したいという、シェフの想いがそこにあります。
「365日」のパンを一口食べると、素材本来の甘みと香りが口いっぱいに広がります。その秘密は、徹底した「素材選び」と「手作り」にあります。
全国の農家に自ら足を運び、環境に配慮して育てられた食材を直接仕入れています。さらに、パンに使われるハムやベーコン、あんこからソースに至るまで、その多くを自社の厨房で一から手作りしています。
「日本の生産者の方々が情熱を注いで作った素晴らしい食材のエネルギーを、一切の妥協なくお客様に届けたい。」その一心で、小麦から具材に至るまで、一つひとつの工程に丁寧な手仕事が重ねられているのです。
365日 包装に入れて販売
「当店のスタッフに、今お店で作っているパン生地15~16種類の中から『5つだけ生地のレシピを盗んでいいと言われたらどれを選ぶ?』と聞くと、誰の答えにも、店名と同じ名前を冠している生地「365日」は必ず入ってきます。」と話すシェフ。
このパンの特徴は、粉の配合と水分量です。「『キタノカオリ』と『ミナミノカオリ』という北と南の2種類の国産小麦を使用していることと、小麦粉100%に対して水120%を入れるという、高い加水率です。
一般的なパンの給水量が60〜70%程度であることを考えると、これは驚異的な数値。このたっぷりの水分を生地に抱え込ませることで、小麦の甘みが最大限に引き出された、「もちもち食感」が生まれます。
そして、この生地に欠かせない風味の“要”となるのが、よつ葉の「北海道よつ葉バター 加塩」です。
「パン生地というのは、本来『味を吸収してしまう』性質を持っています。だからこそ、この水分量120%のもっちりとした強い小麦の生地に合わせるバターは、味が濃く、しっかりと主張するものでなければ風味が埋もれてしまいます。よつ葉のバターは圧倒的に乳の風味が濃く、パン生地に吸収されてもなお、奥から芳醇なコクが力強く立ち上がってきます。」とシェフは語ります。
さらに、そのバターの「入れ方」にもシェフのこだわりがあります。「北海道よつ葉バター 加塩」をサイコロ状にカットし、生地に包み込むという工程を行っています。
真ん中に1つだけ大きなバターを入れると、溶けた時に大きすぎる空洞ができてしまいます。そこで、カットしたバターを生地の「5箇所」に散りばめ、1個ずつ丁寧に包み込んで焼き上げるのです。
これにより、パンの中に5つの小さなバターの部屋(空洞)が出来上がります。 一口かじると、給水120%のもちもちとした生地の食感と、バターが染み込んだ空洞による『食感のコントラスト』が口の中で生まれます。そこに、「北海道よつ葉バター 加塩」が持つ程よい塩分が合わさることで、小麦の甘さが引き立てられるのです。
粉と水分とバターのバランス。「365日」というパンは、シンプルな見た目でありながら、シェフのこだわりがギュッと詰まっている商品です。
素材の声を聴き、生産者の想いをパンという形に変えてお客様の日常へ届ける。「365日」のパンには、シェフのそんなまっすぐな美学が詰まっています。