離乳食での牛乳の使い方|そのまま飲むのはいつから?料理での活用法

牛乳の話

母子栄養協会 管理栄養士監修

離乳食と牛乳のイメージ

赤ちゃんの離乳食が進むにつれ、
「牛乳はいつから使えるの?」「そのまま飲ませてもいいの?」とご心配になる方も多いのではないでしょうか。


牛乳の使い方や開始時期について、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改訂版)をもとに、管理栄養士が解説します。

牛乳と離乳食の関係性

牛乳は、離乳食において重要な食材の一つであり、離乳初期(5‐6ヶ月頃)から少量を料理に使うことができます。

一方で、「牛乳は1歳から」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。


これは、「調理に使う場合」と「飲み物として与える場合」で扱いが異なるためです。

飲用としての牛乳は1歳を過ぎてから

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、「牛乳を飲用として与える場合は、1歳を過ぎてからが望ましい」と明記されています。

これは、牛乳が母乳や育児用ミルクの代替にはならないためであり、牛乳そのものに悪い作用があるという意味ではありません。


[牛乳に不足している主な栄養素]

  • 鉄分:赤ちゃんの成長に欠かせないミネラル
  • DHA・EPA:脳の発達をサポートする必須脂肪酸

といった栄養素は、牛乳には多く含まれていません。



一方、育児用ミルクには、これらの赤ちゃんに必要な栄養素が適切に配合されています。


そのため、 1歳までは、ごくごく飲むのは母乳や育児用ミルクにしましょう。


残念ながら牛乳は、母乳の代わりにはならないのです。

料理に使う牛乳は離乳食期でもOK

飲用としては1歳以降が推奨されていますが、料理の食材としては離乳食期から牛乳を使うことができます。


離乳初期から、少量であれば使用可能です。

ただ、離乳食を作るのも食べるのもまだ慣れない時期なので、最初から無理に牛乳を取り入れなくても大丈夫です。


もし離乳初期に使うなら、次のような「少量から」の始め方がおすすめです。


[離乳初期の牛乳の使い方例]

  • おかゆを作るときに、小さじ1ほどの牛乳を加える
  • 野菜ペーストに少量混ぜる

アレルギーが心配で乳製品を試したい場合は、牛乳でも構いませんが、育児用ミルクでも、ヨーグルトでも、その他乳製品で代用することができます。


育児用ミルクは、少量でも使いやすいため、離乳初期には特に取り入れやすい食材です。

 

牛乳は多すぎない程度に少しだけにすることがポイントです。育児用ミルクのようにたくさん使わないようにしましょう。

常温保存可能牛乳と冷蔵牛乳の違い

赤ちゃんとの生活では、頻繁に買い物に行くのが難しいこともありますよね。
そんなときに便利なのが、常温保存可能牛乳です。

常温保存可能牛乳とは?

常温保存可能牛乳(ロングライフ牛乳)は、130~150℃で1~3秒滅菌(菌の数を限りなくゼロに近づけること)と、無菌状態での充填、特殊な容器の使用により、未開封であれば常温で長期保存できる牛乳のことです。

冷蔵牛乳との違い

項目 常温保存可能牛乳 冷蔵牛乳
保存方法(未開封) 常温で保存可能 要冷蔵(10℃以下)
賞味期限(未開封) 60日~100日程度※ 製造から1週間~16日程度※
価格 やや高め 比較的安価

※開封後はどちらも冷蔵庫で保存し、2〜3日以内に使い切りましょう。

買い物が大変な時期には常温保存可能牛乳がおすすめ

常温保存可能牛乳は、次のようなママ・パパに特に便利です。

外出が難しい時期(新生児期や悪天候の時)

まとめ買い派でストックしておきたい方

災害時の備蓄としても活用したい方


使う量や頻度、ご家庭のライフスタイルに合わせて選んでみてくださいね。

月齢別牛乳の取り入れ方

離乳食の進み具合に応じて、牛乳の使い方や量は少しずつ変わっていきます。目安として、次のように考えてみてください。

 

月齢 1食あたりの目安量 ポイント
離乳初期
(5〜6ヶ月頃)
0〜50g
(1日1‐2食)
初回は小さじ1から。
野菜ペーストに数滴加えたり、おかゆに少し加えるような使い方が良いでしょう。
離乳中期
(7〜8ヶ月頃)
50〜70g
(1日2食程度)
他の食材と組み合わせて栄養バランスアップを図ります。
牛乳だけなら50〜70gくらいですが、例えば魚10gにホワイトソースとして牛乳を使うなら、 20gくらいを目安にしても良いでしょう。
それ以上でもそれ以下でも構いませんが、目安としてとらえてください。
離乳後期
(9〜11ヶ月頃)
80g
(1日約3食程度)
野菜を30〜40gくらい食べる時期です。
肉や魚でたんぱく質をとるとしたら15gくらいとなります。
肉や魚の代わりに牛乳だけにするなら、目安は80gほどです。
離乳完了期
(12〜18ヶ月頃)
100g
(1日3食+補食)
1食あたり100g程度とれるようになってきますが、あくまで「食事としてとる程度」に考えましょう。
いままで母乳やミルクを飲んでいて、少しずつ量が減ってきたとしても、
それを牛乳で補うという考え方ではありません。

「離乳食」とは「乳から離れる」と書きますが、本来の意味は「母乳やミルクだけでは足りなくなった栄養を補う食事(補完食)」です。
牛乳は、その離乳食の一部として少しずつ活用していくイメージです。

離乳食の終わりとは、食事から十分な栄養がとれるようになった時期を指します。母乳やミルクを牛乳に切り替えるのではなく、「食事」に切り替えていき、その一部として牛乳を使っていけると良いですね。

牛乳を使った離乳食レシピ4品

月齢別に、牛乳を使った簡単な離乳食レシピをご紹介します。

【離乳中期】さつまいものミルク煮

さつまいものミルク煮

材料(4回分)

作り方

  1. さつまいもの皮を剥き、1cm角くらいに切りひたひたの水で茹でる
  2. 牛乳を加え、やわらかくなるまで煮る
  3. さつまいもを粗くフォークなどで粗つぶしにする

【離乳後期】かぼちゃミルクパンがゆ

かぼちゃミルクパンがゆ

材料(約1食分)

  • 食パン(サンドイッチ用)…1枚(18g)
  • 特選よつ葉牛乳…50ml
  • 冷凍かぼちゃ…30g

作り方

  1. 耐熱容器にかぼちゃを入れ、電子レンジ(600w)で1分加熱し、皮を取り除いてから、つぶしてペーストにする
  2. 小鍋に、牛乳を入れ、小さく切った食パン、①のかぼちゃとともに弱火で約3分煮て、蓋をし、5分蒸らす

【離乳後期】鮭とほうれん草のクリーム煮

鮭とほうれん草のクリーム煮

材料(約1食分)

  • 生鮭(皮は外す)(またはサーモンの刺身)…10g
  • 玉ねぎ…20g
  • 冷凍ほうれん草…10g
  • 特選よつ葉牛乳…30ml
  • 水…50ml
  •  
  • 水溶き片栗粉…小さじ1/2 (片栗粉1:水2で溶いたもの)

作り方

  1. 生鮭は骨がないか確認し、小さく切る
  2. 玉ねぎは薄切りにし、1cmくらいの長さに切る。冷凍ほうれん草は少し解凍してから細かく刻む
  3. 小鍋に玉ねぎと水を入れ、弱火で玉ねぎが柔らかくなるまで煮たら、ほうれん草と鮭を加え、3分ほど混ぜながら加熱する
  4. 牛乳30mlを加え、弱火で1〜2分ふつふつする程度に煮る
  5. 水溶き片栗粉を少しずつ入れて、とろみをつける

【離乳完了期】カラフルミルクマカロニ

カラフルミルク マカロニ

材料(約1食分)

  • マカロニ…10g
  • じゃがいも…15g
  • にんじん…5g
  • 玉ねぎ…5g
  • 特選よつ葉牛乳…30ml
  • 水…100ml

作り方

  1. じゃがいもは皮と芽をとり、5mmの角切り、にんじんは皮をむいていちょう切り、玉ねぎは薄切りにし、1cmくらいの長さに切る
  2. 鍋に、水と①、マカロニ、牛乳を加えて8分ほど弱火で煮込む。(水がなくならないように注意する)
  3. マカロニが大きくて食べにくそうであればキッチンバサミで切る

フォローアップミルクと牛乳の使い分け

フォローアップミルクとは?

フォローアップミルクは、不足しがちな鉄分やビタミンD、DHAなどを補うための調製粉乳です。

育児用ミルクとは異なり、母乳代替食品ではありませんので、離乳が順調に進んでいる場合は、摂取する必要はありません。


「ミルクを卒業したから」「9ヶ月になったから」といって、育児用ミルクからフォローアップミルクに切り替えなければならないわけではありません。


好き嫌いが激しくて栄養バランスが心配な場合などに、赤ちゃんの様子に合わせて取り入れてみると良いでしょう。

1歳以降も母乳やミルクでいいの?

1歳を過ぎても、母乳や育児用ミルクを続けること自体は問題ありません。


無理に牛乳に切り替える必要はなく、赤ちゃんの成長や食事の様子を見ながら、少しずつ食事の割合を増やしていけると良いですね。


牛乳はカルシウムやたんぱく質の供給源となりますし、ホワイトソース・パンケーキ・蒸しパンなど、さまざまなレシピの材料として活用できます。

1歳すぎたら牛乳を飲んでもいいの?

1歳を過ぎれば、飲み物として牛乳を飲むこともできます。

その場合でも、今までのミルクのように一度に150mlなどたくさん飲むのではなく、1回50ml程度を目安にすると、飲みすぎや栄養バランスの偏りを防ぎやすくなります。

食事の中で牛乳を使う量については、先ほどの月齢別の目安量を参考にしてみてくださいね。

牛乳アレルギーが心配なママ・パパへのアドバイス

牛乳アレルギーが心配な方へのポイント


[乳児期に多い3大アレルゲン]

  • 鶏卵
  • 牛乳・乳製品
  • 小麦

牛乳・乳製品は、確かにアレルギーを起こしやすい食材の一つです。


ただし、アレルギーを心配して離乳食の開始を遅らせることは推奨されていません。

牛乳をあげるときの「平日昼間・少しずつ」ルール

初めて牛乳や乳製品をあげるときのおすすめポイントは、「平日昼間に」「少しずつ」です。

  • 万が一アレルギー症状が出ても、受診しやすい時間帯であるため
  • 少量から始めることで、症状が強く出るリスクを少しでも下げるため

最初にあげる量は特に決まりはありませんが、小さじ1程度を目安にするといいでしょう。
この量でもアレルギー症状が出ることはありますが、
「ごく少量から試す」という意味合いです。

残念ながら、現時点では「こうあげれば乳アレルギーを確実に防げる」という方法はありませんが、怖がりすぎて一切あげない状態が続くこともあまり望ましくありません。

育児用ミルクを飲んでいる場合

育児用ミルク(乳成分を含むもの)を今も飲んでいる場合、すでに乳たんぱくに触れているので、他の乳製品で新たにアレルギーが出る可能性は比較的少ないと考えられます。



一方、現在は育児用ミルクを飲んでいない場合や、「以前は飲んでいたが今は飲んでいない」という場合には、初めての乳製品は少量から始めると安心です。



厚生労働省のガイドでは「1さじずつ」と書かれていますが、この「1さじ」は「少量」というイメージであり、厳密な容量を決めているわけではありません。

アレルギーの強さの考え方

下痢や嘔吐、湿疹など、いつもとは違う症状が出たら、すぐに食べるのをやめて医療機関を受診しましょう。

その際、「いつ・何を・どのくらい食べて、どんな症状が出たか」をメモしておくと、診察の助けになります。

乳製品のアレルギーの強さは、ふくまれるたんぱく質の量と比例する傾向があります。

例えば、バター(脂が多くたんぱく質が少ない)は大丈夫でも、牛乳やヨーグルトをたくさん摂ると症状が出ることもあります。

不安なときは、自己判断で長期にわたって避けたりすることを続けるのではなく、かかりつけの小児科やアレルギー専門医に相談して方針を決めるようにしましょう。

まとめ

離乳食での牛乳の使い方について、ポイントを振り返ります。

  • 飲用としての牛乳は1歳を過ぎてから
  • 料理に使う牛乳は離乳食期からOK(まずは少量から)
  • アレルギーが心配でも、必要以上に開始を遅らせることは推奨されていません。
  • 初めての乳製品は、平日昼間に・小さじ1程度から様子を見てはじめましょう。
  • 買い物が大変な時期には、常温保存可能牛乳や日持ちがするフォローアップミルクを賢く活用するのも一つの方法です。

気になることがある場合は、かかりつけの小児科医や管理栄養士、地域の保健センターに相談しながら、無理のないペースで進めていきましょう。

【参考文献】
・厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」.https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html