新店舗であるesprit de hitotemaの厨房を見渡すと、個人経営のベーカリーとしては規格外とも言える充実した設備が目を引きます。
10枚差しの本格オーブン、大型のウォークイン冷蔵庫、さらには高性能な製氷機まで。「最初のお店は冷蔵庫も狭くて大変でしたが、今回はかなり投資しました。フル稼働すれば、70〜80万円の製造量にも余裕を持って耐えられる設備を入れています」と箕脇シェフは語ります。
これほどの充実した設備を整えた背景には、パン業界全体が抱える「働き方」の課題を解決したいという、シェフの切実な思いがあります。長時間労働が常態化しやすいこの業界において、シェフはスタッフの残業を減らすために「オーバーナイト製法(低温長時間発酵)」を推奨するなど、効率化とおいしさの向上を両立させる仕組み作りに取り組んできました。
「ただ、それでも現状は製造責任者のスタッフに負担がかかってしまっているのが実情です。僕自身がもっと現場に入ってサポートしなければならないのが今の課題ですね」と、理想の労働環境の構築に向けて、日々試行錯誤を続けています。
取材の際にお話を伺った、製造責任者を務めている女性スタッフの方も、自身のお店を独立開業することが決まっていました。「彼女も自分のお店で使いたいこだわりの材料があるそうですが、新規開業の個人店だと、取り扱ってくれる問屋さんを見つけるのが本当に大変なんです。」とシェフは実情を明かします。
実は箕脇シェフ自身も、約3年前に1店舗目のhitotemaを開業した際、全く同じ壁にぶつかりました。「取引額が少ないという理由で、最初にお願いした業者さんに取引を停止されてしまったんです。よつ葉さんの製品を使いたくても仕入れルートがなく、やむを得ず高い送料を払って宅急便で材料を取り寄せていた時期もありました。」
「だからこそ、よつ葉乳業さんのようなECサイトがあれば、新しくお店を立ち上げる人間にとっては、心強いと思います。」
よつ葉乳業では、一般のお客様はもちろん、個人経営のベーカリーの皆様にもご利用いただける。公式ECサイトを運営しています。業務用製品の取り扱いや定期便サービスなども展開しております。
塩バターあんぱん
仕入れの苦労を乗り越えてでも、箕脇シェフがよつ葉乳業の製品を使い続けるのには明確な理由があります。それは、よつ葉製品が持つ「圧倒的なブランド力と安心感」だといいます。
「お客様から『どこのバターを使っているの?』と聞かれることがよくあります。そこで『よつ葉さんのバターです』と自信を持って答えると、『あぁ、やっぱりね!だからおいしいんだ』と心から納得して買っていただけることもあります。」
1店舗目の「hitotema」では、当初冷蔵庫が狭かったため、入りきらないよつ葉のバターをお客様から見える店頭のショーケースに入れていたこともありました。「絶対的な信頼があるブランドだからこそ、お客様に見せられるというか。自信を持って良いものを使っていることの、何よりの証明になりますから。」
店頭の商品POPにも「よつ葉の発酵バター使用」と明記することで、商品に付加価値が生まれます。「正直なところ、価格設定はお客様から一番シビアに見られる部分です。でも、よつ葉さんのように誰もが知るおいしい素材を使っていれば、少し価格が高くても納得していただける。個人店にとって、これほど頼もしいことはありません。」
今後は、通常のバターとは違った製法で製造する、リッチなミルク感が特徴の「北海道よつ葉バターRタイプ 食塩不使用 450g」 を使った商品開発にも意欲を見せてくれました。「そういった特別なバターを使って、とびきり贅沢なクロワッサンを作ってみたいですね。」
発酵バターを焦がしバターにして香りを引き立たせた「じゃがバタフォカッチャ」なども開発中とのこと。 よつ葉乳業の製品と共に、箕脇シェフのパン作りはこれからも進化を続けていきます。